もの忘れが心配な方へ-認知力アップデイケアで認知症を防ぎませんか?

“もの忘れや認知症の予防&進行抑制のために”

認知症の予防あるいは進行抑制への関心の高まりとともに、
運動、食事、認知トレーニングなどの効果が科学的に証明されています。
認知力アップデイケアでは、それらの中で科学的根拠のあるプログラムを通じて、皆様の認知力アップを支援いたします。

  • 身体活動
  • 心理活動
  • 知的活動
  • 教育活動

概 要

ご挨拶

認知症とは、記憶力や空間の認知力などの認知機能が障害されることにより、日常生活に支障が出る疾患の総称です。世界の認知症の人の数は現在5,500万人、2030年には7,500万人を超えると推計されています。
日本では、2040年には認知症の人の数が約584万人、さらにその予備軍とされる軽度認知障害(MCI)の人の数を加えると約1,200万人となり、近い将来には65歳以上の3人に1人が認知機能に何らかの障害を抱えることになります。

筑波大学医学医療系 臨床医学域 精神医学教授 新井哲明

認知症の原因として最も多い疾患はアルツハイマー型認知症です。この疾患では、アミロイドという特定のタンパク質が脳にたまることが認知症を引き起こす原因と考えられています。アミロイドは、早い人では40-50歳代から脳内にたまり始め、20-30年かけて徐々にその量が増えていき、ある量を超えるとMCIになり、さらにその量が増えると認知症を発症します。実は、このように特定のタンパク質が脳内にたまることはほとんどの認知症において共通にみられる現象です。なぜアミロイドのようなタンパク質が脳でたまるのか、そのメカニズムはまだ解明されていませんが、老化がその一因になっていると考えられています。MCIの人を4-5年追跡するとその半分位が認知症に移行するという報告があることから、MCIは認知症発症の予備軍とされています。

2023年12月から、抗アミロイドβ抗体薬という新たなアルツハイマー病に対する治療薬が発売され、早期例では疾患の進行を遅らせることが可能になりましたが、認知症の予防は依然として重要です。中年期から運動や栄養のバランスに留意し、糖尿病、高血圧、高脂血症、うつ病などの認知症のリスクとされる疾患に罹患しないようにすることが肝要です。また、初期の段階から対応することで認知症への移行を防ぐあるいは遅らせることが可能であることが明らかになってきています。当院の認知力アップデイケアでは、運動、音楽、絵画、脳トレーニング、疾患教育などを組み合わせた専門的なプログラムを行い、脳の老化を防止し、MCIの人の認知機能障害の進行予防に努めています。

認知力アップデイケアでは、科学的な根拠に基づいた運動療法や認知トレーニングなど、
認知力アップのための「4つの柱」で構成されるプログラムによって、認知力の維持と改善を希望される方、
およびクオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life)を高くキープしたい方々を支援します。
「人生100年時代」を生きる誰もが、将来かかりうる可能性のある認知症という疾患に「備える」ことも、
予防の大事な目的です

「家族支援」概要

ご家族の協力や理解があれば、
認知症予防の取り組みはより効果を発揮できます。
ご本人も心強く感じるでしょう。
デイケアでは、ご利用者様のご家族に対しても、
必要な知識の教育、心理的な支援などを行っています。

家族会の目的

  • 相互支援(助け合い)
  • コミュニケーション能力を高めること
  • 学習(学び合い、知見を広める)
  • ストレスマネジメント
  • 社会的運動

「地域連携」概要

住み慣れた地域で、
いつまでも自分らしく生きることを支援するためには、
大学病院と地域との連携が不可欠です。
また、このような認知症予防の取り組みが地域でも
広がるためにも、見学、研修などを通して
ネットワーク体制の構築を目指しています。

プログラム予定

認知力アップデイケア

もの忘れや認知症の予防&進行抑制のために

一流の講師陣とプログラムでサポートします

ここでは、毎月のプログラムを掲載しています。

プログラムスケジュールはこちらをクリックしてください

一日の流れ

1.バイタルチェック

デイケアのプログラムはバイタルチェックから始まります。
一日を安全にお過ごし頂くために、血圧、体温を測定し、
その日の体調を看護師が丁寧に聴取します。

2.朝のミーティング

スタッフや利用者など、その日の参加者全員が集まり、日付や季節の行事、一日の予定などを確認します。
また、時には利用者さん個人の先週の出来事を振り返って
ご紹介頂くなど、楽しみながら見当識の維持を図ります。

3.知的活動

脳が最も活発な朝いちばんに短時間で知的活動に取り組みます。
部屋中がシンと静まり返るほどの集中力には圧倒されます。
認知力アップデイケアで人気のある活動です。

4.午前のプログラム

午前のメインプログラムです。利用者さんの意欲の高さに講師の先生方も負けじと真剣です。笑いあり、涙ありであっという間に時が過ぎます。

5.ランチタイム

食事は各自、お好きなように召し上がって頂いています。
連れ立って筑波大の学食へ行く方、ご家族とお弁当を広げられる方など様々です。

6.午後のプログラム

ランチタイムで充電して、
利用者の皆さんは午後も楽しんで活動に取り組まれます。

7.夕のミーティング

今日一日の出来事を振り返ったり、
次回の日時や予定を確認したりします。

ご利用方法

デイケアご利用までの流れ

当デイケアは通院外来治療のひとつです。
ご利用に際しては、当院精神科医師による指示が必要となります。

デイケア見学・体験

デイケアにお電話の上、見学日をご予約下さい。その際、デイケアを安全にご利用いただくために、お体の状態等について、いくつかご確認させていただきます。

筑波大学附属病院 精神神経科 受診予約

受診に際しては、かかりつけ医(内科等)からの紹介状を必ずご持参下さい。

専門医による診察と各種検査の施行

デイケアでの利用にあたって、様々な検査をもとに専門医が詳しく診察いたします。

デイケア利用案内

上記の結果をもとに、再度主治医とデイケア治療について検討いたします。

開催曜日

火・水・金

まずは週に1回、いずれかの曜日にご登録頂きます
各曜日とも定員50名です

時 間

デイケア(1日)

9:00-16:00

ショート・デイケア(半日)

9:00-12:00 または 13:00-16:00

費 用

*デイケア利用開始1年未満の方

1日830円(デイケア料+再診料+早期加算)

半日430円(ショート・デイケア料+再診料+早期加算)

※デイケア利用開始から1年未満で、かつ、医療保険の自己負担割合が1割の方の場合です
※医療保険の自己負担額をご確認下さい。上記の金額×自己負担割合(1割、2割、3割)となります
自立支援医療制度を申請された場合は、1割の自己負担となります
※2024年10月時点の価格です。診療報酬改定により、価格に変更が生じる場合があります。

アクセス

〒305-8576 茨城県つくば市天久保2丁目1番地1 筑波大学附属病院B棟2F 205/206室(精神科デイケア)

つくばセンターから当院へ

  • つくばセンターバスターミナル5番のりばからバスで5~10分
  • 行き先 :「石下駅」「下妻駅」「筑波大学病院」
  • 降車バス停 :「筑波大学病院」
  • つくばセンターバスターミナル6番のりばからバスで5~10分
  • 行き先 :「筑波大学循環(右回り)」
  • 降車バス停 :「筑波大学病院入り口」