当科では、医学生(主として4,5年生)の学生実習にも積極的に取り組んでいます。
筑波大の学生では、必修の他に、選択CC (Clinical Clerkship)で精神科を選択することにより、必修では経験できないようなカリキュラムを構築することも可能です。
主体性を重視しているため、選択CCの場合、学生一人一人と相談したうえで実習内容を決めています。
当科で選択CC実習を行った学生の声をお読みください。
S.Y.君 (筑波大医学6年生) 2012年3月~4月まで実習してくださいました。
自分は、選択CCにおいて精神科8週を選択し、筑波大学付属病院4週間、茨城県立こころの医療センターで2週間、国立国際医療センター国府台病院で2週間の実習をさせていただきました。どの病院でも、大変親身に教えていただき、またチームの一員としても様々な体験をさせていただき、幸せな8週間を過ごさせていただきました。
茨城県立こころの医療センターでは、閉鎖病棟、精神科救急、児童閉鎖病棟と、大学精神科だけでは学べないようなところを体験できました。自分は児童精神を志す身として、児童精神病棟に2週間子供たちと過ごしながら、外来の予診をとったり見学したり、勉強会に参加させていただくような実習をしました。2週間というまとまった期間で、最初はうまく子供とも話ができなかったのが、うちとけて様々な心理などのプログラムを楽しみ遊び、いろいろな心中を聞くことができました。また予診では、丁寧に取り方も教えていただき、アプローチの仕方やテクニックなど、大学の先生にも劣らず熱心に教えていただき、勉強になりました。
国立国際医療センター国府台病院では、内科も外科もあることから、精神科救急や救急一般、内科や外科の合併した精神疾患、各種検査や心理療法、外来での予診本診、勉強会など幅広く凝縮した2週間をしました。精神科救急や内科外科の合併では、患者さんの搬送、抑制、処置の介助、問診、カルテへの記載などレジデントの先生のように積極的に体験させていただきました。特に、自殺未遂による全身多発外傷や外科手術予定の精神疾患患者や脳卒中合併例など、普通の精神科だけではみられないような難しい疾患の患者を、問診・検査から治療へのアプローチまで全て見学・体験できたことが魅力的だったと思います。
大学病院では、長く難しい経過の患者さん受け持ち、MIBGシンチ・SPECT・遺伝子検査など精密検査、毎日の外来での予診・本診、症例検討会や勉強会の参加・準備と、時間をかけて熟慮し勉強するような日々を過ごさせていただきました。選択CCでは、普通のCCと異なり、どの先生にも予診を入らせてもらえ、問診の細かい注意・症状の気をつけるポイント・薬の使い分け・外来治療の進め方など実践的な知識・技術を様々な専門の先生から教えていただけるのが魅力でした。また、患者の病歴聴取、写真など資料のまとめ、文献検索し、先生と勉強会の資料準備をしたり、サマリや発表ポスターなども作った後ポイントを教えていただきながら修正していただいたりなど、大学病院では教育熱心な先生が多く心強いです。精神科選択での実習は、他の科よりも親切に教えていただき、こちらのやりたいことに合わせてもらえる良い教育体制だと感じました。さらに、普通の実習からステップアップし、初期研修医でもなかなかできない体験をさせてもらえると思います。自分のスキルアップのためにも、精神志望の方も考えていない方も、選択CCで是非まわってみることをお勧めいたします。
最後になりましたが、先生方、病院スタッフ様方のおかげで楽しく刺激的な8週間を過ごすことができました。ありがとうございました。
K.T.君 (筑波大医学5年生) 2010年8月~10月まで実習してくださいました。
私は大学付属病院で4週間、茨城県立友部病院で2週間、国立国際医療センター国府台病院で2週間の精神科実習をさせていただきました。
大学病院の病棟実習では2人の患者さんを担当し、スタッフやレジデントの先生方と共に診療に参加します。選択CC実習では4週間と通常の実習よりも期間が長く設定されています。そのため病勢に合わせた治療方針の決定やその効果の確認、退院後の計画など2週間の実習ではなかなか経験できないような長期的な経過で患者さんを診ることができました。
大学病院の外来実習では初診患者さんの予診をとり、情報を自分なりにまとめた後にスタッフやレジデントの先生方の本診の見学を行います。はじめのうちは患者さんの訴えをまとめるだけでも一苦労でした。しかし、先生方の本診を見学させていただいているうちに、どのような情報が必要か、またそこからどのような鑑別診断が挙げられるか自分なりに考えながら予診をとることができるようになりました。診察終了後には先生方からとてもしっかりしたフィードバックもうけられ、大変勉強になりました。
友部病院、国府台病院ではどちらも成人急性期病棟で実習をさせていただき、慢性期の患者さんが多い大学病院ではあまり経験できないような症例を数多く経験することができました。また、精神科単科病院である友部病院と他の身体科も有する総合病院である国府台病院の両病院で実習できたので、単科病院と総合病院での精神科のあり方の違いを体験できたことも大きな収穫だと思います。どちらの病院も児童精神科病棟を有しており、希望すればそちらで実習を行うこともできると思うので、児童精神に興味がある方にもおすすめです。
この2ヶ月間、先生方のご指導のお蔭で大変充実した実習を行うことができました。ありがとうございました。