私たちが、研修医の先生に、「このサイトを見にくる方々のために、生の声を聞かせて」とお願いしたところ、初期研修医S先生が「じゃあ、一週間の流れを日記形式で書くのはどうでしょうか?」と提案してくださいました。ということで、研修医1年目で精神科で頑張って実習してくださったS先生の1週間をドキュメンタリータッチでごらんください。
【月曜日】
教授回診に備えてプレゼン資料を作成する……つもりだったのだがどうまとめて良いのか解らず、なんだかバラバラの文章になる。仕方がないのでバラバラの文章のまま上の先生に相談すると…
「言いたい内容は解るけれど、これだと解りにくいねぇ」
全く、その通りです…
「ここで話す順序を変えて、この項目の表現をこうすると…」
驚くほどすっきりした。
指導医によって朱が入れられた文章
【火曜日】
教授回診の日。昨日、プレゼン資料を上の先生に見てもらったので安心して臨む。
教授に何か聞かれることがあっても、責められるという感じは無いので安心である(でも緊張はする)。
教授回診が終わってから勉強会(精神医学の本の輪読)、概念がつかみにくい言葉も、上の先生方が実例を交えて話してくださるので解りやすい。
【水曜日】
新規患者さんを受け持つことになる。どんな患者さんか事前情報があっても緊張はする。
…身体疾患を合併しているんだけどどうすれば?
上の先生方に相談したらしかるべき対応を教えてくださった。
一人だったら手につかなかっただろうな…
【木曜日】
主治医のA先生と一緒に患者さんの面談に入る。A先生は、不安はあっても表現できない患者さんから、どんどん言葉を引き出して、お互いの理解を深めていっていた。それでいて、
「今は触れられたくなさそうなところには触れずにいる」そうで…
そういう面談を見る機会に恵まれているのは幸運だなと思いつつ、治療方針の相談をした。
【金曜日】
電気けいれん療法の日。術者(講師の先生)の補助として入る。合間に外病院での電気けいれん療法の話などをして頂く。外を知らないので新鮮である。
新患サマリをまとめようとしていたら遅くなってしまった。夕飯をどうしようと思っていたら当直の先生が
「ご飯一緒に食べない?」
と声をかけてくれ、一緒に出前を頂くことになった。
ご飯も美味しいが、食べながら話す内容がまた楽しくてためになる。話した内容を元に、自分の患者さんとの接し方を考え直しつつ、帰路についた。
【土曜日・日曜日】
「休日に休むのも仕事のうちです」(某講師の先生談)
というわけで大真面目に休日にする。
……たまに、サマリを書きに来ていたのは秘密である。