7月21日、Dpression Forum 2016 in Tsukubaが開催されました。
東邦大学医学部医学科薬理学講座の杉山篤教授と、東京医科大学病院メンタルヘルス科の井上猛教授のお二人の先生のご講演を聞かせていただけるという非常に贅沢な会で、多くの先生方にご参加いただきました。
杉山先生には、QT延長という私たちにとって切実なテーマについて、その発生機序の基本から最先端の研究データまで分かりやすくお話しいただきました。安全域が広いという点で、抗うつ薬の中では第4世代薬が、抗精神病薬ではアリピプラゾールとオランザピンがQT延長のリスクが低いということもわかり、大変勉強になりました。
井上先生には、うつ病の病因、予測因子、レジリアンスを高める因子などについて先生ご自身の最新のデータを含めて包括的にお話しいただきました。レジリアンスを高める可能性がある因子として、地中海食、発揚気質、抗うつ薬維持療法、精神療法の4点を教えていただき、大変勉強になりました。特に地中海食は認知症の予防効果についても指摘されており、うつ病は認知症のリスクでもあることから、うつ病と認知症の関係についてさらに検討が必要であると改めて思いました。